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2枚目の写真の補正と出力予約(その2)

  

2枚目の写真の補正(続き)

前の記事の『2枚目の写真の補正と出力予約』からの続きです。 この記事では、引き続き写真の補正を行います。

前の記事では明るさの補正までを実施しました。 ここからは高感度ノイズの低減を行います。

高感度ノイズ低減

この写真は晴天下でISO 100で撮影しましたので高感度ノイズの心配はありませんが、一応、プレビューパネルの画像を見てみましょう。

1. 高感度ノイズの心配はなさそう
1. 高感度ノイズの心配はなさそう

上図のように高感度ノイズの心配はなさそうです。 よって、高感度ノイズの低減は行いません

細かな色の補正

続いては、細かな色の補正です。 具体的には、パープルフリンジ・霞(かすみ)・コントラスト不足・彩度不足などが発生していれば補正します。

では、現在の写真の補正状況を見てみましょう。

1. 空と木の葉が重なっている部分でパープルフリンジが発生している
1. 空と木の葉が重なっている部分でパープルフリンジが発生している

上図のように空と木の葉が重なっている部分でパープルフリンジが発生しています。 補正前画像を見ればわかりますが、編集開始時にはパープルフリンジは目立っていません。 これまで実施した補正によって、パープルフリンジが強調されてしまったようです。

では、表示倍率を高くして詳しく見てみましょう。 といっても、画像全体の表示倍率は上げません。 一部の範囲だけをピクセル等倍で表示してみましょう

2. [新規ディティール ウィンドウを開く]ボタンを押す
2. [新規ディティール ウィンドウを開く]ボタンを押す

上図のようにプレビューパネルの下部にある[新規ディティール ウィンドウを開く]ボタンを押します。

3. ディティール ウィンドウが新たに開く
3. ディティール ウィンドウが新たに開く

上図のように(1)のディティール ウィンドウが新たに開きます。 ディティール ウィンドウには、(2)の赤枠の範囲がピクセル等倍で表示されます。

  
ディティール ウィンドウは複数開くことができます。 [新規ディティール ウィンドウを開く]ボタンを押すごとに新たなディティール ウィンドウが開きます。
  
ディティール ウィンドウの表示倍率は初期状態で 100% ですが、ウィンドウ左上の[+]ボタン([-]ボタン)・[-]ボタン([+]ボタン)・[1:1]ボタン([1:1]ボタン)で表示倍率を調整することができます。

では、表示範囲を移動させましょう。

4. 赤枠を空と木の葉が重なる部分までドラッグする
4. 赤枠を空と木の葉が重なる部分までドラッグする

上図のように赤枠を空と木の葉が重なる部分までドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

5. パープルフリンジが発生している
5. パープルフリンジが発生している

上図のようにパープルフリンジが発生していることがハッキリとわかります。

パープルフリンジの低減が必要なことがわかりました。 フリンジ低減ツールは詳細タブにあります

6. 詳細タブをクリックする
6. 詳細タブをクリックする

上図のようにツールボックスの詳細タブをクリックします(またはキーボードのALT+Dを押します)。

  
"Detail" から連想して覚えましょう。
7. 詳細タブに切り替わる
7. 詳細タブに切り替わる

上図のように詳細タブに切り替わります。 この詳細タブには、シャープ化・ノイズ低減・フリンジ低減・霞除去などの細かな補正ツールが含まれています。

パープルフリンジを低減させる前に補正前画像の固定を解除します

8. [補正前の表示設定]ボタンを押す
8. [補正前の表示設定]ボタンを押す

上図のように補正前画像の右上にある[補正前の表示設定]ボタンを押します。

9. 補正前画像が固定解除される
9. 補正前画像が固定解除される

上図のように[補正前の表示設定]ボタンが錠が開いた画像に変化します。 この状態は補正前画像の固定が解除されたことを表しており、補正ツールを切り替えると画像が書き換えられるようになりました。 つまり、補正ツール内での変化が比較できるようになりました

では、パープルフリンジを低減させましょう。 フリンジ低減ツールを利用します。

10. 見出しの前の白丸アイコンをクリックする
10. 見出しの前の白丸アイコンをクリックする

上図のように "フリンジ低減" という見出しの前の白丸アイコンをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

11. パープルフリンジが低減される
11. パープルフリンジが低減される

上図のようにパープルフリンジが低減されます。 フリンジ低減を有効にしただけで十分な効果を得られました。 微調整は必要なさそうです

では、フリンジ低減前と低減後を比較してみましょう。 まずは、ディティール ウィンドウを閉じましょう。

12. ディティール ウィンドウを閉じる
12. ディティール ウィンドウを閉じる

上図のようにディティール ウィンドウを閉じます。

ではここで、補正前画像に注目してください

13. 補正前画像がフリンジ低減の有効化の直前の状態になっている
13. 補正前画像がフリンジ低減の有効化の直前の状態になっている

上図のように補正前画像が、フリンジ低減の有効化の直前の状態になっています。 これは、[補正前の表示設定]ボタンを押して補正前画像の固定を解除したためです。 フリンジ低減を有効にした瞬間に補正前画像が書き換えられました。

つまり、フリンジ低減の効果だけを比べることができる状態になっています。 補正前画像がフリンジ低減を有効にする直前で、補正後画像がフリンジ低減を有効にした結果です。

では、表示倍率を上げて比べてみましょう。

14. [100%にズーム]ボタンを押す
14. [100%にズーム]ボタンを押す

上図のようにプレビューパネルの下部にある[100%にズーム]ボタンを押します(またはキーボードのZを押します)。

  
"Zoom" から連想して覚えましょう。

さらに表示倍率を上げましょう

15. [ズームイン]ボタンを押す
15. [ズームイン]ボタンを押す

上図のようにプレビューパネルの下部にある[ズームイン]ボタンを押します(またはキーボードの+(プラス)を押します)。 これで表示倍率が200%になります。

16. 赤枠を空と木の葉が重なる部分までドラッグする
16. 赤枠を空と木の葉が重なる部分までドラッグする

上図のようにナビゲータの赤枠を空と木の葉が重なる部分までドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

17. 表示範囲が空と木の葉が重なる部分に移動する
17. 表示範囲が空と木の葉が重なる部分に移動する

上図のように表示範囲が空と木の葉が重なる部分に移動します。 パープルフリンジが無くなっていることがわかります。

では、表示倍率を戻しておきましょう。

18. [画像全体を画面に合わせる]ボタンを押す
18. [画像全体を画面に合わせる]ボタンを押す

上図のようにプレビューパネルの下部にある[画像全体を画面に合わせる]ボタンを押します(またはキーボードのALT+Fを押します)。

  
"Fit to screen" から連想して覚えましょう。

レンズ/ジオメトリ補正

最後に、レンズや形状に関わる補正を行います。 レンズの影響で発生する歪み・周辺光量低下・色収差の補正、また、傾き補正や切り抜きなどの形状の変形を行います。

1. レンズ関係の補正や変形は必要なさそう
1. レンズ関係の補正や変形は必要なさそう

上図のようにレンズによる歪みや周辺光量低下も色収差も見られません。 よって、レンズ関係の補正や変形は実施しません

  

RAW現像予約(キューへの追加)

2枚目の写真の補正も終わりました。 3枚目の写真の補正に進む前に、2枚目の写真(この写真)のRAW現像予約を行いましょう。

RawTherapeeでは、キューと呼ばれる出力予約リストに追加することで、まとめてRAW現像することができます。

1. [現在の画像をキュー処理に追加]ボタンを押す
1. [現在の画像をキュー処理に追加]ボタンを押す

上図のようにプレビューパネルの下部にある[現在の画像をキュー処理に追加]ボタンを押します(またはキーボードのCTRL+Bを押します)。

ではここで、画面上部の画像スライドの2枚目の写真に注目してください。

2. 画像スライドのサムネイルに歯車のアイコンが描かれている
2. 画像スライドのサムネイルに歯車のアイコンが描かれている

上図のように画像スライドの2枚目の写真のサムネイルに歯車のアイコンが描かれています。 この歯車のアイコンは、キューに出力予約が追加済みであることを表しています

さらに、画面左上に注目してください。

3. キュータブに [1] と表示されている
3. キュータブに [1] と表示されている

上図のようにキュータブに [1] と表示されています。 これは、キューに格納されている出力予約の件数を表しています

  

まとめ

ディティール ウィンドウを開くことで、一部の範囲だけをピクセル等倍で表示させることができます。 また、ディティール ウィンドウの左上の[+]ボタン([-]ボタン)・[-]ボタン([+]ボタン)・[1:1]ボタン([1:1]ボタン)で表示倍率を調整することができます。

操作/コマンド 説明
[新規ディティール ウィンドウを開く]ボタン ディティール ウィンドウを新たに開く
[-]ボタン 表示倍率を1段階上げる
[+]ボタン 表示倍率を1段階下げる
[1:1]ボタン 表示倍率を100%にする

細かな補正ツールは、ツールボックスの詳細タブに分類されています。

操作/コマンド 説明
ALT+D ツールボックスのタブをを詳細タブに切り替える

フリンジ低減を有効にすることで、フリンジを低減することができます。 フリンジ低減の効果は、ピクセル等倍以上で表示しないと確認しづらいでしょう。

操作/コマンド 説明
[ズームイン]ボタン
(または)
+(プラス)
表示倍率を1段階上げる
[ズームアウト]ボタン
(または)
-(マイナス)
表示倍率を1段階下げる
[100%にズーム]ボタン
(または)
Z
表示倍率を100%にする
[画像全体を画面に合わせる]ボタン
(または)
SHIFT+B
画面に合うように表示倍率を調整する

補正が終わったらRAW現像予約を行いましょう。 RawTherapeeでは、すぐにRAW現像することも、最後にまとめてRAW現像することもできます。

操作/コマンド 説明
[現在の画像をキュー処理に追加]ボタン
(または)
CTRL+B
現在の画像の出力予約をキューに追加する
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