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7枚目の写真の補正と出力予約

  

7枚目の写真の補正

では、最後の7枚目の写真の補正に移ります。 7枚目の写真も補正後にキューに追加し、最後にまとめてRAW現像します

以下に7枚目の写真を再掲載します。 なお、この写真はカメラが出力した撮って出しJPEG画像です。

7枚目(samplephoto7.orf) - やや暗く隅の光量も低下している -画像を拡大する
7枚目(samplephoto7.orf) - やや暗く隅の光量も低下している -

空を広く写したためか、やや暗めに露出されています。 また、周辺光量低下で隅が暗くなっています。

7枚目の写真を編集対象として選択する

現在、6枚目の写真が編集対象として選択されています。 編集対象を7枚目へ切り替えましょう。

1. [→]ボタンを押す
1. [→]ボタンを押す

上図のようにプレビューパネルの下部にある[→]ボタンを押します(またはキーボードのSHIFT + F4を押します)。

2. 7枚目の写真に切り替わる
2. 7枚目の写真に切り替わる

上図のように7枚目の写真に切り替わります。

ホットピクセルの補正

まずは、ホットピクセルの補正からです。

1. ホットピクセルの補正は必要なさそう
1. ホットピクセルの補正は必要なさそう

上図のように晴天かつ昼間に撮影しましたのでホットピクセルの補正は必要なさそうです。

ホワイトバランスの補正

次はホワイトバランスの補正です。

1. ホワイトバランスの補正の必要はない
1. ホワイトバランスの補正の必要はない

上図のように色に問題はありません。 そのため、ホワイトバランスの補正は実施しません。

明るさの補正

続いて明るさの補正です。 空を広く写したため、やや暗く露出されてしまっています。 ヒストグラムで確認してみましょう。

1. ヒストグラム
1. ヒストグラム

上図のように右端にかなりの隙間があります。 思った以上に暗くなっています。

では、明るくしましょう。 初めて紹介する露光量補正の機能を使います。 明るさを補正する基本的な機能ですが、最後の7枚目での紹介になってしまいました。

露光量補正ツールは露光タブにあります

2. 露光タブをクリックする
2. 露光タブをクリックする

上図のようにツールボックスの露光タブをクリックします(またはキーボードのALT + Eを押します)。

  
"Exposure" から連想して覚えましょう。
3. 露光タブに切り替わる
3. 露光タブに切り替わる

上図のように露光タブに切り替わります。

では、露光量補正で明るくしましょう。

4. 露光量補正に 0.7 を設定する
4. 露光量補正に 0.7 を設定する

上図のように露光量補正に 0.7 を設定します。 これにより、撮影時に +0.7EV つまり、+2/3段にしたのと同じ明るさになります。

5. 2/3段明るくなる
5. 2/3段明るくなる

上図のように明るくなります。 露光量補正に 0.7 を設定したので、0.7EV だけ明るくなりました

高感度ノイズ低減

続いては高感度ノイズの低減です。

1. 高感度ノイズの心配はない
1. 高感度ノイズの心配はない

上図のように晴天の日の昼間に撮影した写真です。 ISO 100でシャッター速度は 1/2500 秒ですので、高感度ノイズについては心配ありません

細かな色の補正

続いては、細かな色の補正です。

1. 細かな色の補正は不要
1. 細かな色の補正は不要

上図のようにパープルフリンジ・霞(かすみ)・コントラスト不足・彩度不足などは発生していません

レンズ/ジオメトリ補正

最後がレンズ関連の補正および傾きの補正です。

1. 周辺光量が低下している
1. 周辺光量が低下している

上図のように周辺光量が低下しています。 水平は取れているので傾きの補正は必要なさそうです。

では、周辺光量低下の補正のみを行いましょう。 周辺光量の補正ツールは変形タブにあります

2. 変形タブをクリックする
2. 変形タブをクリックする

上図のようにツールボックスの変形タブをクリックします(またはキーボードのALT + Tを押します)。

  
"Transform" から連想して覚えましょう。
3. 変形タブに切り替わる
3. 変形タブに切り替わる

上図のように変形タブに切り替わります。

ではここで、補正前画像の固定を解除します。 周辺光量低下の補正の効果だけを比較するためです。

4. [補正前の表示設定]ボタンを押す
4. [補正前の表示設定]ボタンを押す

上図のように補正前画像の右上にある[補正前の表示設定]ボタンを押します。 これで、補正ツールを切り替えた時点で補正前画像が書き換えられるようになりました

では、レンズ / ジオメトリのレンズ補正 プロファイルに注目してください。

5. レンズ / ジオメトリのレンズ補正 プロファイル
5. レンズ / ジオメトリのレンズ補正 プロファイル

上図のように(1)のレンズプロファイルでレンズ情報が自動で選択されています。 ただし、(2)の補正では、周辺光量がグレーになっていて操作できません

周辺光量がグレーになっているのは、選択中のレンズ情報に周辺光量のデータが含まれていないためです。

RawTherapeeに内蔵されているレンズ情報は、Lensfunで提供されているものです。 ただし、Lensfunから提供されるレンズ情報では、全てのレンズにおいて歪曲補正・周辺光量・色収差の3つのデータが揃っているわけではありません。 レンズによっては、歪曲補正のデータはあるが周辺光量のデータはないということもあります。

Lensfunでレンズ情報が提供されているレンズの一覧および内容はLensfunのSupported Lensesで確認することができます。 意味は以下の通りです。

用語 意味
dist. Distortion : 歪曲
TCA Transverse chromatic aberration : 色収差
vign. vignette : 周辺光量
  
この写真を撮影したレンズは、ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 です。 フォーサーズ機で使えるレンズの中ではなかなか優秀なレンズだと思うのですが、それでもLensfunから提供されているレンズ情報には周辺光量のデータは含まれていません。

つまり、この写真は自動で周辺光量低下を補正することはできません。 手動で周辺光量低下の補正をする必要があります

6. 周辺光量補正の適用量を 30 に設定する
6. 周辺光量補正の適用量を 30 に設定する

上図のように周辺光量補正の適用量を 30 に設定します。

7. 隅が少し明るくなる
7. 隅が少し明るくなる

上図のように隅が少し明るくなります。 ただし、まだまだ光量低下が目立っています。

もう少しだけ強く補正してみましょう

8. 周辺光量補正の適用量を 60 に設定する
8. 周辺光量補正の適用量を 60 に設定する

上図のように周辺光量補正の適用量を 60 に設定します。

9. 隅がさらに明るくなる
9. 隅がさらに明るくなる

上図のように隅がさらに明るくなります。 まだ光量低下は感じられますが、補正はこのぐらいでやめておきましょう。

  

RAW現像予約(キューへの追加)

最後の7枚目の写真の補正も終わりました。 では、7枚目の写真(この写真)もRAW現像予約を行いましょう。

1. [現在の画像をキュー処理に追加]ボタンを押す
1. [現在の画像をキュー処理に追加]ボタンを押す

上図のようにプレビューパネルの下部にある[現在の画像をキュー処理に追加]ボタンを押します(またはキーボードのCTRL + Bを押します)。

2. キュータブに [6] と表示されている
2. キュータブに [6] と表示されている

上図のようにキュータブに [6] と表示されています。 出力予約がキューに追加されたことがわかります。

  

まとめ

露光量補正で写真を明るく/暗く補正することができます。 露光量補正の設定値を +1 すると +1EV(+1段) したのと同じ明るさになります。

レンズによってはRawTherapeeによる自動的な補正は望めません。 その場合は、手動で歪曲や周辺光量低下・色収差を補正しなければなりません。

 
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