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2枚目の写真の補正と出力予約

  

2枚目の写真の補正

それでは、2枚目の写真の補正に移ります。 なお、2枚目の写真は、補正してもすぐにはRAW現像しません。 キューと呼ばれる出力予約リストに追加するだけです

  
RawTherapeeでは、すぐにRAW現像することも、最後にまとめてRAW現像することもできます。 1枚目だけは補正後すぐにRAW現像しましたが、2枚目以降は最後にまとめてRAW現像します。

以下に2枚目の写真を再掲載します。 なお、この写真はカメラが出力した撮って出しJPEG画像です。

2枚目(samplephoto2.orf) - 空が白飛びしている -画像を拡大する
2枚目(samplephoto2.orf) - 空が白飛びしている -

空が白飛びしていて山と空の境目がハッキリしていない所があります。

2枚目の写真を編集対象として選択する

現在、1枚目の写真が編集対象として選択されています。 まずは、編集対象を2枚目へ切り替えましょう。

1. [→]ボタンを押す
1. [→]ボタンを押す

上図のようにプレビューパネルの下部にある[→]ボタンを押します(またはキーボードのSHIFT+F4キーを押します)。

2. 2枚目の写真に切り替わる
2. 2枚目の写真に切り替わる

上図のように2枚目の写真に切り替わります。 補正前画像・補正後画像はもちろん、左側のパネルにあるヒストグラムやナビゲータ・履歴・スナップショットも2枚目の写真に合わせて変化しています。 また、右側のパネルにある処理プロファイルセレクタとツールボックスも同じく変化しています。

ではここで、ウィンドウ上部にある画像スライドに注目してください。

3. 画像スライドの2枚目のサムネイル画像が選択されている
3. 画像スライドの2枚目のサムネイル画像が選択されている

上図のように画像スライドの2枚目のサムネイル画像の背景色が他と異なっています。 これは、この画像が選択中であることを表しています

さらにサムネイル画像の左上に注目してください。

4. 画像スライドのサムネイルにチェックのアイコンが描かれている
4. 画像スライドのサムネイルにチェックのアイコンが描かれている

上図のように画像スライドの選択中の写真のサムネイルにチェックのアイコンが描かれています。 すでに説明したように、このチェックのアイコンは画像が補正されていることを表しています。

  
初めて編集するRAWファイルでは、編集を開始すると同時に処理プロファイル "Auto-Matched Curve - ISO Low" が適用されます。

ホットピクセルの補正

では、ホットピクセルの補正から行いましょう。 まずは、プレビューパネルの画像を見てみましょう。

1. ホットピクセルは見当たらない
1. ホットピクセルは見当たらない

上図のようにホットピクセルは見当たりません。 よって、ホットピクセルの補正は不要です

  
ISO 100で撮影しましたが、晴天下だったためシャッター速度は1/500秒です。 高感度撮影でも長秒時撮影でもないため、ピクセル等倍(表示倍率100%)でホットピクセルを探すことはしません。

ホワイトバランスの補正

続いては、ホワイトバランスの補正です。 プレビューパネルの画像を見てみましょう。

1. 色に不自然さはない
1. 色に不自然さはない

上図のように色に不自然さはありません。 そのため、ホワイトバランスの調整も行いません

明るさの補正

続いては、明るさの補正を行いましょう。 まずは、左側のパネルの上部にあるヒストグラムを見てみましょう。

1. ヒストグラム
1. ヒストグラム

上図のように解析範囲からの逸脱を示す赤色・緑色・青色の小四角があります。 これは、赤・緑・青成分ともに明るすぎる色があるということを表しています。

つまり、白飛びです。 ヒストグラムを見なくてもわかることですが、空が白飛びしています

では、白飛びしている領域をプレビューパネル上で見えるようにしましょう。

2. [ハイライト・クリッピング領域の表示]ボタンを押す
2. [ハイライト・クリッピング領域の表示]ボタンを押す

上図のようにプレビューパネルの上部にある[ハイライト・クリッピング領域の表示]ボタンを押します(またはキーボードの<を押します)。

3. ハイライト・クリッピング領域が黒色に着色される
3. ハイライト・クリッピング領域が黒色に着色される

上図のようにハイライト・クリッピング領域が黒色に着色されます。 なお、ハイライト・クリッピング領域とは、白飛びした領域のことです

  
黒つぶれした領域のことは、シャドウ・クリッピング領域と呼ばれます。

白飛びした領域が目で見て確認できるようになりました。 このハイライト・クリッピング領域がなくなるまで、空の明るさを下げましょう。

ツールボックスはタブで分類されていますので、まずはタブを切り替えます。 露出関係のツールは露光タブにあります

4. 露光タブをクリックする
4. 露光タブをクリックする

上図のようにツールボックスの露光タブをクリックします(またはキーボードのALT+Eを押します)。

  
"Exposure" から連想して覚えましょう。
5. 露光タブに切り替わる
5. 露光タブに切り替わる

上図のように露光タブに切り替わります。

では、白飛び部分の明るさを下げましょう。 まず最初にやるべきことは、ハイライト復元を有効にすることです

6. ハイライト復元を有効にする
6. ハイライト復元を有効にする

上図のようにハイライト復元を有効にします。 おそらく、最初から有効になっています。

  
ハイライト復元は、RAWファイル中ですでに白飛びしている部分を復元する機能です。 つまり、撮影時にすでに白飛びしてしまい情報が失われている部分を埋める機能です。 RawTherapee上での補正作業によって新たに白飛びした部分を補正するものではありません。

ハイライト復元によって何か変化しているでしょうか。 補正後画像を見てみましょう。

7. 空が白飛びしている
7. 空が白飛びしている

上図のように空が白飛びしています。 ハイライト復元が有効な状態でも白飛びは解消されていません。

ハイライト復元は、白飛びしてデータが失われている部分を修復するものです。 失われている情報を周囲のピクセルから推測し、その値で埋めています。

つまり、ハイライト復元には、明るさを押し下げる効果はありません。 データが失われているピクセルが埋められるだけです。 よって、空が暗くなることはありません。

  
ヒストグラムを見ながらハイライト復元の有効/無効を切り替えるとわかりますが、ヒストグラムにはほとんど変化がありません。

次に行うのは、空全体の明るさを下げることです。 つまり、ある程度の明るさ以上のピクセルの明るさを押し下げます

白飛び部分の明るさの押し下げにはハイライト圧縮の機能を使います。

8. ハイライト圧縮を 20 にする
8. ハイライト圧縮を 20 にする

上図のようにハイライト圧縮を 20 に設定します。

9. ハイライト・クリッピング領域が少し狭くなる
9. ハイライト・クリッピング領域が少し狭くなる

上図のようにハイライト・クリッピング領域が少し狭くなります。 つまり、白飛びしている領域が少し減ったということです。

ヒストグラムも見てみましょう。

10. ヒストグラムの小四角は右端に貼り付いたまま
10. ヒストグラムの小四角は右端に貼り付いたまま

上図のようにヒストグラムの右端の赤・緑・青色の小四角は消えていません。 つまり、まだ白飛びしたままです。 ただし、ヒストグラムが少し左に圧縮されています

  
ヒストグラムを見ながら履歴の先頭行("写真を読み込みました | (更新済)")と2行目("ハイライト圧縮 | 20")を交互にクリックすれば左に圧縮されているのがわかります。
  
ヒストグラムの比較を終えたら、履歴の2行目("ハイライト圧縮 | 20")をクリックしてハイライト圧縮に 20 が設定された状態に戻してください。

ハイライト圧縮をもう少し強くしてみましょう。

11. ハイライト圧縮を 60 にする
11. ハイライト圧縮を 60 にする

上図のようにハイライト圧縮を 60 に設定します。

12. ハイライト・クリッピング領域がさらに狭くなる
12. ハイライト・クリッピング領域がさらに狭くなる

上図のようにハイライト・クリッピング領域がさらに狭くなります。 つまり、白飛びしている領域がさらに減ったということです。

ヒストグラムはどう変化しているでしょうか。

13. ヒストグラムの小四角は右端に貼り付いたまま
13. ヒストグラムの小四角は右端に貼り付いたまま

上図のようにヒストグラムの右端の赤・緑・青色の小四角は右端に貼り付いたままです。

まだまだ明るさの押し下げが必要そうです。 ハイライト圧縮をさらに強くしてみましょう。

14. ハイライト圧縮を 80 にする
14. ハイライト圧縮を 80 にする

上図のようにハイライト圧縮を 80 に設定します。

15. ハイライト・クリッピング領域の着色が灰色に変化する
15. ハイライト・クリッピング領域の着色が灰色に変化する

上図のようにハイライト・クリッピング領域の着色が黒色から灰色に変化しました。 これは、白飛び具合が弱まったことを表しています。

ヒストグラムがどうなっているかも見てみましょう。

16. ヒストグラムの小四角が消えた
16. ヒストグラムの小四角が消えた

上図のようにヒストグラムの右端の赤・緑・青色の小四角が消えました。 つまり、解析範囲を逸脱するような明るい色は無くなったということです。

あと一歩です。 ここからは微調整を行います。

17. ハイライト・クリッピング領域が消えるまで1ずつ上げる
17. ハイライト・クリッピング領域が消えるまで1ずつ上げる

上図のようにハイライト圧縮の入力欄の右の[+]ボタンをクリックして1ずつハイライト圧縮の値を上げていきます。 ハイライト・クリッピングが消えるまで1ずつ上げていきましょう

18. ハイライト・クリッピング領域がほぼ消える
18. ハイライト・クリッピング領域がほぼ消える

上図のようにハイライト・クリッピング領域がほとんど消えました。 まだ少し残っていますが、これぐらいは見逃します。

19. ハイライト圧縮の値は 85 に設定されている
19. ハイライト圧縮の値は 85 に設定されている

上図のようにハイライト圧縮の値を 85 まで上げたところで、ハイライト・クリッピング領域が消えました。

では、ハイライト・クリッピング領域の表示をオフにしましょう。 もう、必要ありません。

20. [ハイライト・クリッピング領域の表示]ボタンを押す
20. [ハイライト・クリッピング領域の表示]ボタンを押す

上図のようにプレビューパネルの上部にある[ハイライト・クリッピング領域の表示]ボタンを押します。

  
この時点で満足できる仕上がりになっているなら、明るさに関してはこれ以上の補正は必要ありません。

現状、山と空の境目は、まだまだハッキリしていません。 引き続き明るさの補正が必要です。 ただし、ハイライト圧縮の値をこれ以上は高くしません。

  
ハイライト圧縮の値を高くするとボカシがかかったようになります。 ピクセル等倍ではわかりにくいですが、縮小表示ではかなり違和感があります。 そのため、ハイライト圧縮の利用はハイライト・クリッピング領域が消えた現時点までとします。

ここからは、ハイライト/シャドウの機能を使って補正していきます。 ハイライト/シャドウは、明るい部分を暗く、暗い部分を明るくする機能です

  
マニュアルによれば、ハイライト/シャドウの機能を使う前に、ダイナミックレンジ圧縮の機能を使うべきとのことです。 本ウェブサイトでは、色々な補正の方法を紹介したいので、あえてダイナミックレンジ圧縮せずにハイライト/シャドウの機能を使います。
  
If the photographed scene has a high dynamic range (very deep shadows and very bright highlights) then use the Dynamic Range Compression tool to compress the dynamic range to a more manageable level, and then optionally use this Shadows/Highlights tool on top of that.
 
- 引用元 -
https://rawpedia.rawtherapee.com/Shadows/Highlights#Usage
  
ダイナミックレンジ圧縮の機能は、3枚目の写真の明るさの補正で利用します。

では、ハイライト/シャドウの機能を有効にしましょう。

21. 見出しの前の白丸アイコンをクリックする
21. 見出しの前の白丸アイコンをクリックする

上図のように "ハイライト/シャドウ" という見出しの前の白丸アイコンをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

これでハイライト/シャドウの機能が有効になりましたので、次にハイライト部を暗くします。

22. ハイライトを暗くを 20 にする
22. ハイライトを暗くを 20 にする

上図のようにハイライトを暗くを 20 に設定します。

23. 山と芝生が少し暗くなる
23. 山と芝生が少し暗くなる

上図のように山と芝生が少し暗くなります。 また、山と空の境目が、少しだけハッキリしてきました。

もう少しハイライトを暗くしましょう。

24. ハイライトを暗くを 40 にする
24. ハイライトを暗くを 40 にする

上図のようにハイライトを暗くを 40 に設定します。

25. 山と芝生がさらに暗くなる
25. 山と芝生がさらに暗くなる

上図のように山と芝生がさらに暗くなります。 また、山と空の境目が、随分とハッキリしてきました。 これだけハッキリすれば十分でしょう。 明るさの補正はこれで終わります

白飛びした部分の補正で大切なことは、白色で表現されるべき場所が灰色にならないことです。 補正前と補正後を見比べてみましょう。

26. 補正前と補正後の比較
26. 補正前と補正後の比較

上図のように山と空の境目がハッキリわかるようになりました。 ただし、空は灰色にならずに済んでいます。

次の記事へ

長くなってきましたので、そろそろ一区切りしましょう。 続きは次の記事を参照ください

  
  

まとめ

プレビューパネルの下部にある[→]ボタン・[←]ボタンを押すことで、ファイルブラウザに戻ることなく編集対象の画像を切り替えることができます。

操作/コマンド 説明
[→]ボタン
(または)
SHIFT+F4キー
次の画像に移動する
※次の画像をを編集対象にする
[←]ボタン
(または)
SHIFT+F3キー
前の画像に移動する
※前の画像をを編集対象にする

プレビューパネルの上部にある[ハイライト・クリッピング領域の表示]ボタンを押すことで、白飛びしている領域が見えるようになります。 同様に、[シャドウ領域の表示]ボタンを押すことで、黒つぶれしている領域を見ることができます。

操作/コマンド 説明
[ハイライト・クリッピング領域の表示]ボタン
(または)
<
白飛びしている領域をプレビューパネル上に着色して表示する
[シャドウ・クリッピング領域の表示]ボタン
(または)
>
黒つぶれしている領域をプレビューパネル上に着色して表示する

明るさ関係の補正ツールは、ツールボックスの露光タブに分類されています。

操作/コマンド 説明
ALT+E ツールボックスのタブをを露光タブに切り替える

露光補正のハイライト復元を有効にすると、撮影時に白飛びしてデータが失われている部分が復元されます。

露光補正のハイライト圧縮およびハイライト/シャドウのハイライトを暗くは、ハイライト部分を暗く補正するための機能です。 最初にハイライト圧縮で白飛びが無くなるまで補正し、その後にハイライトを暗くで微調整するのがいいでしょう。 ただし、マニュアルによればハイライトを暗くの前にダイナミックレンジ圧縮を使うべきとのことです。

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